openBDプロジェクト(カーリル・版元ドットコム)は書誌情報・書影を、だれでも自由に使える、高速なAPIで提供することを目的にスタートしました。出版社団体である版元ドットコムの会員社が提供するデータだけではなく、版元ドットコムが受信している、出版情報登録センター(JPRO)のデータを含めることで、網羅率の高い書誌・書影情報の配信が実現しました。
2017年から始まったサービスは今年で7年目を迎えました。
現在、高いデータ網羅率と、高速で使いやすいAPIが評価され、毎日500万リクエスト以上のAPI要求を処理しており、書誌・書影情報へのニーズの高まりとともに利用が増加しておりました。
2023年6月5日から、JPROから版元ドットコムへのデータ配信が停止され、版元ドットコム会員社以外のopenBDのデータ更新が停止しました。openBDが提唱する「書誌情報・書影を自由に」というコンセプトがJPROの現在の利用規約に抵触している懸念や、無償で大規模なサービス提供がインフラ維持のための使用料徴収を阻害しているとの懸念について、認証制度の導入や書影配信の一部制限などの対応策も含めて、JPROとの協議を継続してまいりました。
この結果、書誌も含めて再配信は現行規約違反との方針が示され、現状のスキームによるオープンな書誌・書影情報の提供継続は困難と判断するに至りました。技術的な調整が完了次第、すみやかに「openBD API(バージョン1)」の提供を終了します。
●これからどうなるのopenBDは現在、さまざまなサービス、ウェブサイト、システムに組み込まれており、インフラとして機能しています。openBDプロジェクトでは、十分な移行期間が確保できるよう、すくなくとも60か月以上の期間、国立国会図書館が提供するCC-BYライセンスの書誌情報をベースとした代替API(仮称)を提供します。このAPIの仕様は従来通りです。ただし、収録範囲と収録内容に大きな変更が見込まれます。特に書影の収録範囲は大幅に低下します。 これらの対応により、openBDと連携したアプリケーションは、プログラム変更をしなくても、ただちにエラーにより停止することはありません。収録範囲と収録内容が変更となります。
版元ドットコム会員社(520社2023年7月25日現在)の書誌・書影は代替API(仮称)でもこれまで通り配信されます。
●代替手段はありますか非営利の場合は、国立国会図書館が書影APIを提供しています。
ネット書店等が提供するAPIにより書誌・書影にアクセスできる場合があります。
JPROが配信しているデータについては有償での提供が可能です。詳しくはJPROにお問い合わせください。
さらに、書誌・書影情報の入手についてのみなさんの知見をお寄せください。みなさんの知見を持寄って、自由な利用を引き続きめざしていきたいと思います。